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映画に見た神話的な青年

最近テレビで「アフターショック」という映画を見たのですが、ニューヨークが大地震に見舞われる内容の映画です。
むろんビルが壊れ、人々はその下敷きになり、大混乱に陥ります。これが平屋ならこれほどの打撃は受けなかった事でしょう。近代は経済の繁栄を誇りとするためか、やたらと高層ビルを建てたがります。

高く上がったものは、いつかは地に落ちる。大きくなったものは、いつか潰れる。栄えたものは、いつか滅んでしまう。だから栄えようとしないことです。

幸いなことに今、日本では貧乏でも、心が豊かな生活をしよう、儲けるのでなく役立つための企業を興そう、もう儲けるという言葉にはひっかからないぞ、といった立派な考えの人々が増えているようです。

「アフターショック」の映画について言いたい事は、あれよあれよと必死になって逃げる人々、建物の下敷きになっている人を助ける人々……それらの人々が神経をとがらせて、うろたえております。
ところがその中に一人だけ、神話的な人物がその映画の中に登場します。それは、他の国からニューヨークに3ケ前に入って来てタクシードライバーの職を見つけた青年です。

彼は大学では数学を専攻しており、立派な学歴を持っている青年ですが、他のニューヨークの人のような意識の荒い波動でなく、きびしさを全然持たない人でした。
この人の中に神話的な波動を見ることが出来ました。おっとりしていて善良で悪気の少しもなく、この厳しいニューヨークの経済社会の中で探しても見当たらないような、すれていない青年です。

この一人の青年が画面に現われて来るたびに、救われる思いがします。
人を安らかにする人、こんな人が自分の目前にいてくれたら、それは夢のような出来事であり、神話的なやわらかさ、やさしさを味わえて幸せになれるだろう……と思えるこんな青年を、このニューヨーク大地震の大混乱の中に登場させたことは、この映画の素晴らしいところですね。

神話が大切だと私がいつも話していますが、それを聞いた人から(ではその神話的な人とは、どんな人のことを言っているのか、何を見本にすれば良く分るのか)といった質問が来そうですが、ぜひこの映画を見て下さい。そこに見本となる人が現れて来ます。

しかしこの青年は神話的でありますが、皆さんの近くでもそれに似た人がいるかもしれません。人の心を和らげてくれる人、荒々しい言葉づかいをしない人、大きな声を出さない人、自己を売り込むための大宣伝や大声で熱弁をふるって人の気を引くようなことをしない人。

それにもうひとつ大切な要素があります。それは欲がないという事です。自分の利益の為のみに動くようなことをしません。持っている物でも、お金でも他の人々に与えます。

経済のあるこの社会において経済をなくすことは出来ません。しかし経済の中で、神を実現することは出来ます。神というより、人間としてあるべき姿を実現することが出来るのです。
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| エッセイ | 16:36 | TOP↑

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三つの組み合わせ

破壊 創造 保持の法則は
非平衡系と循環系と平衡系の
法則と同じような構造になっている

この宇宙は 非平衡系だけで動いて
いるのではない
非平衡系があれば 必ず平衡系がある

この二つは一対である
そして それ等を支えているものに
循環系がある

そのように宇宙は三つの組み合わせが
一つになって動いている

時間もひょっとしたら 三重になって
いるのかも知れない

1994.03.06.

| エッセイ | 22:51 | TOP↑

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行為の中に詩を見つけよ

私は1975年にアメリカに来たのですが、その時日本人になかった良いものをアメリカで見ることができました。

それは美しいという言語についてでした。日本では人が行なった良い行為に対して、「立派ですね、良いことをしましたね」と言って讃える……
そのことに関してアメリカ人は「ビューティフル」と言ってその行為を讃えるのでした。

日本人は美しい絵とか美しいものとかに対しては、むろん美しいと言いますが、行為に対して美しいとあまり言いません。それに良いとか立派という言語を使います。

ところがアメリカ人は行為に対しても美しいという言語を使ったということは、その行為の中に詩を感じている証拠です。アメリカの中にはいろんな問題がたくさんありますが、しかし民主主義を立派に成功させるのだという建国の精神が、今だにアメリカの未来に方向性を与えています。

またトーマスジェファーソンの――すべての人間は善なるものである――という精神から大きい影響を受けたホイットマン。それにホイットマンばかりではありません。アメリカ民主主義を唱え、夢見た多くの先輩たちの後に、ホイットマンが現われているのです。

民主主義は美しいものであります。しかし資本主義はそうではありません。一部の人によって国が動かされ、国民はいつまでも苦しんでおります。早く美しい黄金時代をつくり上げねばなりません。

それには一人一人の自覚が必要であります。詩人であるという自覚です。美は詩であり、詩は美であり、波動である。即ち透明で結果を求めない行為の中にそれを多く見つけることが出来ます。

良いことをして高々にそれを自己宣伝に使ったり、革命をして権力の座に登ったりしたのでは美しいとは言えない。美しい行為は無私の行為である。権力を求めてという目的のある行為は人間の醜い合理中心から出ています。

何の利己的な目的も結果も考えない行為………そこに禅でいう禅味であり、ニーチェのいう無意味そのものです。
そこに詩があり神話があるのです。

| エッセイ | 11:13 | TOP↑

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物質宇宙の解体

立方を消せば
物体は 解体するかも
知れない

1985.07.18.

| 1985年 | 10:51 | TOP↑

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神話は革命である

私は11月も末になった今朝、今年始めての霜を見ることが出来たのです。霜……これも詩である。霜が下りること、これも詩である。モミジの葉がそれによって更に紅を深める……これも誠に詩である。神話がそこにいっぱい広がっていた。

なんと私は幸せなのか。これが感じられる喜びを人々に分かち合いたいと思いました。

神話は静かな革命である……とある神話学者が言いました。その通りだと思います。革命にはさまざまな革命があります。銃を持って敵を倒そうとする革命、それで成功をおさめ英雄になった人々もいる。また無抵抗による革命もあるでしょう。

しかし神話の革命は静かなものです。人の心を魂の底から揺り動かすものです。何物にも抵抗することなく、霊の波動でもって人々を変えてゆくのです。

政治的にいくら革命を起こして、政治のあり方を変えても、敵を倒しても人の心が変わるものではありません。外側を変えることも必要です。

しかし内身を変えないと、どれほど政治革命をしても世の人に本当の幸せを与えることは出来ないし、秩序ある輝ける社会を造ることも出来ません。とにかく人を殺してなされる革命は美しいとは思えません。

| エッセイ | 23:51 | TOP↑

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