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神笛

あたりの騒音から 少し離れた一室で
私は 古代ギリシャの大理石の女神像を
堀出すように
恍惚となって 神の笛――「魔笛」を吹いた

「悪の退陣」 「悪の除去」の
哲理が掘り出されたのだ
歓喜に波打つ光に満ちて 黄金の心の弦が
切れんばかり「聖なるもの」――「自然」の中に 
再び突入した
光一色の中に――

科学と機械技術が圧倒的に その支配をたくましうし
人間の本質が「危険」の深淵に かかっている時
「自由」なる彼方にむかって 
「癒やしの次元の閉鎖」の鉄鎖を断ち切る――

「神の欠如」 「神々の除去」が
「神々の充満」 「悪の除去」となる
おお 不可思議な神笛――「魔笛」が吹きならされた

ハムリンの笛吹きに ついてゆく子供たちのように
悪の子供たちは姿を消してゆく――

知性の力が中心に向えば それは明るさを増す

甘美な恍惚の中で 私は再びおんみを識った
前進的流動の法則を――

たたずんで 待っている者も 
一切 前進する神だということを

不思議な喜び……
おんみ自身のように――

1959.01.01.
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| 1959年 | 09:25 | TOP↑

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