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ギリシャの神信仰について

ギリシャの神は人間に愛を与えたり、幸福を与えたりする神ではありません。人々もそれを心得ており、神に向って何かをしてほしい、何かを求める様な信仰は持っていません。ただ神の足許にひざまずき、神を見上げ、神の徳を慕って、そこで慰めを、いやしを得るのだそうです。そのことについてが、W.F.オットーが『神話と宗教』の中で書いています。

神々の至福の静けさを知ってこそ、人は初めて神々の働きと活動の仕方をも理解する事が出来る。また逆に、その働きと活動を真にギリシャ的な意味で理解する人に対しては、神々の至福や静けさも開示される。この消息に近代の人間の中で一番通じていたのは、 ギリシャ的な意味で敬虔なヘルダーリンであった。彼が完全無欠なる者、神的なもの、神的に美的なものについて語るとき、その印となるのはいつも静けさであり、清らかな微笑みであった。   (筑摩叢書  辻村誠三訳)

その静けさは、神のもつ本性の透明なる角度ではないでしょうか。清く静かなる角度を見つめ、そこでいやしを得よう、穏やかなる自己に帰らせてもらおう、とギリシャ人がしたのではないでしょうか。白紙が上空から舞い降りて来るような、軽やかで、清く、神々しいその舞、それこそ宇宙舞の原型ではないでしょうか。現代物理学は 「宇宙はダイナミックなバランスの裡(うら)にある」と言っています。
「物質は分子、原子、原子核それぞれのレベルで絶え間なく踊り、振動している。静の中の静は真の静ではない、動とのバランスの中に静がある」(『タオ自然学』F.カプラ著参考)と見ています。

インドのシヴァ神像も宇宙舞を表しているものと言われています。「シヴァの踊りは『踊る宇宙』であり、互いに融合し、限りなく変化するエネルギーの流れである」「神話は科学である。これなくして社会と宇宙の秩序の維持はない」と言われています。〈中公新書『神話学入門』大林太良著)民族学者である大林太良氏の申される通り、神話は科学そのものであります。
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