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ホラと神話

私は青年の頃面白い人に出会いました。その人はホラばかり吹く人でした。そのホラはとても面白いのです 本人がホラだと気付かずにホラを吹くのでよけい面白いのです。ホラそのものがホラそのものになってしまうのです。私たちはそのホラ吹き老人が姿を現すのを、いつも心待ちにしていました。そのホラ吹き老人が来ると、その場は天国になるのでした。ホラも一つの空想力から出るものでしょう。
コロンブスも一人のホラ吹き男でしたが、やがて大陸を見つけました。又ヨーロッパから中国に旅したマルコポーロは言いました。「中国に黒い川が流れている。それに火をつければ燃える」「東の果ての大きい島のジャポス国の家々は金でできている」と言いました。それで彼は大ホラ吹きといわれましたが、人々に大きな夢を与えました。
我々はエジプト文明について、いつまでも心がひかれますが、そこに人間の魂を魅惑するやさしさと音楽性・芸術性・神話性があるからなのです。神話は人間の命であり、命より大切なものなのです。知識の多いことばかりが賢いのではありません。いつも温かく、やわらかく、羽毛のようなピュアーで透明度のあるものでなければなりません。芸術作品というのは、そんなものです。
うそでもよい、ホラでもよい、そこに夢さえあれば、それは神話になります。うそもホラも非合理なものです。ホラを悪いものだと思うこと自体が知恵の塊です。世によく言うでしょう。面白味のある人間でないと人間でないと。
人々に夢と希望を与えるような言葉、態度。人相をしていないといけません。雲の上を歩いているような人………。もしそのような人がいたら、どんなに良いかしれません。人間離れした人というのは、このように雲の上を歩いているように見える人です。透き通った顔、悠々と歩く歩き方、この世に何の関心もこだわりも持っていない様な顔、いつもニコニコ、心の底から豊かなよろこびが湧いているような顔、そういう人相、姿、形が必要です。
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