ピンボケの声
体を揺さ振っている事
体という物質を優先さす事
なぜなら心や精神より 物質の方が早くこの世に
誕生したのだから
心や精神は後から来たものである
宇宙が出来て始めに鉱物の世界があった
そして生命をもつ植物が生まれた
そのように生命より鉱物というような物質の方が
先にこの世に来たのである
だから人間にとって 心や精神よりも物質の方が母胎である
心や精神に人間をまかせるとろくな事をしない
物質の中には始めからある宇宙構造が秘められており
そこでは ピュアーなる本性が波打っている
物質 あるいは物と物との動き 運動の方が
心の世界よりピュアーだ
人間は心とか 精神とか 魂とかいうものに主体性をおくが
それは間違っている
それらは物質より後から来たものである
そして精神とやらは感覚や知識を通し 間違った事を見
間違った事を考え 善し悪しや硬苦しいものの中で生きて来た
そこには元々あったピュアーなるものはなかった
それは迷いと混乱の世界を 迷いと混乱の人間をつくり上げた
賢くならなければ しっかりしなくてはというその考えが
大人の声を子供の声から切り離してしまった
子供のあのかわいい舌足らずの甘い夢のような声を
大人は出せなくなってしまったのである
ピンボケの世界を ピンボケの画面を
大人は忘れてしまったのである
肉体に 物質に意識を集め 心や精神をボカしていると
ボケた世界に ピンボケの世界に入ってゆける
光速をかけて 宇宙の彼方まで飛べ
ピンボケの世界がある
そこが宇宙一切のふる里だ
子供はその世界に近い
声に 顔にそれがある
まず 体を揺さ振ることから始めよ
そして ピンボケの画面を想像せよ
ピンボケの光速をもって 宇宙の彼方まで飛べ
心や 精神や 魂までがそれについてくる
後から
先に先行させるのが物である
心や精神ではない
ピンボケの ピンボケの世界の中に生きよ
しっかりすると間違って来る
1983.05.08.
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