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蜂鳥

蜜ばかり吸う鳥がいる 
それは異質の鳥だ
嘴が長くて蜜ばかり吸うのだ

それと同じく空間を食う者がいた
空間を食うのだ 
パクパクと空間を食うのだ

普通の人間は知識や考えを食って生きているが
その者は空間を食って生きているのだ
空間がその者の故郷というか 母胎なのだ

人間は考える意識の中にいつも生きている
それを自己の宇宙としている 
自己の母胎としている
しかしそれは悩みを製造するだけである

人は始めピュアーという空間の中に生きる生き物であった
ところがその空間を忘れて
言葉や言語や次元の中で生きてしまった

眼は彼等の全てとなってしまい 
眼でとらえた世界の中で
生きるようになってしまった
そしてピュアーなる空間を忘れたのである

眼で生きていると次元があり
感覚と思考ばかりの中で生きるようになる
宇宙は立体的にしか見えなくなってしまい
男や女やという相対的な感覚の中ばかりで生きてしまう

人は男 女 時間 中性子 運動というものを
すべて記号として扱えるようになると
この感覚世界は消えて 真実なる透明の世界が見えてくる

そこはぼやけたもの 次元のない「踊り」そのもの
「舞い」そのもの 「遊び」そのもの 神話そのものの世界だ

その「踊り」そのもの 「遊び」そのもの 神話そのものが
我々の本質でもあり 我々の住所でもあり 母胎でもあり 
我々の食いものでもある

幾何学は飛ぶ 幾何学は飛ぶ 永遠の生命の中を
翼の一線は飛ぶ 自己にゆだねて 
バイブレーションの震えのみがある 

平安な世界がそこに展開している
人は考える世界から
透明な空間を食う世界に入らねばならない

体が左右に揺れ 手が空に伸びて
踊り始める 舞い始める

本物 本物 本物がそこにある
震えがくる 震えがくる 
本物の震え

1983.06.06.
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| 1983年 | 23:52 | TOP↑

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